《地上波完全復活》“SMAP時代の遺産”から脱した「新しい地図」の今後「稲垣は役者としてキムタクより上」「草彅は結婚して安定感アップ」「一番心配なのは香取で…」 | ニコニコニュース



 4月9日からNHK Eテレバラエティー「ワルイコあつまれ」が始まった。レギュラー出演するのは新しい地図稲垣吾郎(48)、草彅剛(47)、香取慎吾(45)の3人。2016年に起きた大騒動を経て、翌年9月にジャニーズ事務所を退所した“辞めSMAP”の3人だ。

「ワルイコあつまれ」は、楽しく社会を学ぶ教育バラエティー。昨年9月に2回、そして今年1月と3月の特番を経てレギュラー化した。3人が「学校で教えてくれそうで、ちゃんとは教えてくれないこと」をゲストと共に学んでいく。

新しい地図”3人そろっての初めての地上波レギュラー

「重要なのは3人にとって、2017年9月に新しい地図として活動を開始してから、初めての3人そろっての地上波レギュラーということです。民放各局はジャニーズ事務所に忖度して、3人そろってはレギュラーどころか出演も満足にありませんでした。それが独立から4年7カ月でやっと“テレビに帰ってきた”ということです。NHKに受信料を払っていてよかったと思いましたよ(笑)」(スポーツ紙芸能デスク

 新しい地図として活動を始めた3人は、ジャニーズ時代は事務所の方針として対応していなかったYouTubeTwitterInstagramなどのSNSでの活動を始めた。同年11月には「72時間ホンネテレビ」(AbemaTV)に登場。爆笑問題カンニング竹山きゃりーぱみゅぱみゅ武井壮三谷幸喜市川海老蔵、キャイ~ン、堺正章などの売れっ子芸能人も出演して、順調に復活していくものと思われた。

 だが、現実は厳しかった。稲垣は「ゴロウ・デラックス」(TBS系)が2019年3月、草彅は「『ぷっ』すま」(テレビ朝日系)が2018年3月、香取は「SmaSTATION!!」(テレビ朝日系)が2017年9月、「おじゃMAP!!」(フジテレビ系)が2018年3月いっぱいで終了した。

ジャニーズ事務所は、3人の番組出演について直接は何も言いませんでした。でも、3人を出演させればジャニーズ所属のタレントは共演NG。起用した番組スタッフジャニーズ関連の番組を制作しにくくなってしまいます。2019年7月に亡くなったジャニー喜多川社長はともかく、昨年8月に亡くなったメリー喜多川名誉会長は最後までSMAPマネジャーだった飯島三智氏と3人を許しませんでした」(女性誌編集者

 それゆえ、しばらくはSMAP時代の“遺産”での出演が続いた。

SMAP時代に築き上げた“華麗なる人脈”

「飯島氏はSMAP東京パラリンピックの『日本財団パラリンピックサポートセンター』の応援サポーターに就任させた縁もあって、与党政治家ともパイプがあります。2020年4月には日本財団と愛のポケット基金『LOVE POCKET FUND』を設立し、新型コロナウイルス対策支援のプロジェクトを推進しました。現在はウクライナ避難民への支援を行っているようです。

 2013年SMAP5人を缶コーヒーBOSS』のCMに起用して、大成功を収めたサントリーも、2018年から稲垣と香取をCMに起用し続けています。

 築き上げた人脈を余すことなく活用できたのは、SMAP時代からのマネジャー飯島氏の手腕によるところが大きいでしょうね。ただ、これまでの仕事は“元SMAP”としてのものでした」(ワイドショー関係者)

向きが変わった公正取引委員会の注意

 風向きが変わったのは2019年7月。公正取引委員会が、「ジャニーズ事務所テレビ局に対して、退所した3人のメンバーを出演させないよう圧力をかけた場合は独占禁止法にふれるおそれがある」と注意した。「優越的地位を濫用」して「脱退したメンバーを番組出演させたら、うちのタレントは出さない」と圧力をかけてはいけないと公的機関が芸能界に対してメッセージを送ったのだ。

 そしてようやく、3人そろっての地上波レギュラーが始まったことで、新しい地図として、やっと新たなスタートを切れることとなったのだ。

 では、アラフィフにして、再スタートした新しい3人の実力はどうなのだろう。芸能界入りしてから常にジャニーズ事務所、そして飯島氏の庇護の下でスターに上りつめた、その軌跡を検証してみよう。

キムタクより役者として上」稲垣吾郎の高評価のワケ

 稲垣はジャニーズ退所後、そしてコロナ禍にあっても舞台俳優として着実な歩みを続けている。2018、2019、2020年ジャニーズ時代から続いている「No.9ー不滅の旋律ー」。2018、2019年に「君の輝く夜に」、2019年には「LIFE LIFE LIFE~人生の3つのヴァージョン~」、2021年に「サンソンールイ16世の首を刎ねた男ー」、そして今年は「恋のすべて」に出演を予定している。その全てが主演だ。

「元々、吾郎ちゃんはキムタクよりも役者としての評価は上。期待もされていました。1988年に『水戸黄門』などのプロデューサーを務めていた逸見稔氏が手掛けた、『あぶない少年Ⅲ』(テレビ東京系)でドラマデビュー。翌年にはNHK連続テレビ小説『青春家族』に抜てき。1992年には18歳10カ月という男性最年少で月9ドラマ『二十歳の約束』(フジテレビ系)に主演しました。

 ナイーブで知的な雰囲気はキムタクより俳優向き。ただ、実際に性格もナイーブなので、キムタクがアッというまにブレイクしたことで思い悩むことが多かったと思います」(アイドル誌記者)

 SMAPアイドルとしてブレイクし、俳優専業といかずにバラエティーでも活躍した稲垣。しかしその持ち味は、やはりジャニーズ正統派の美形キャラバラエティー番組に出演していても、どこか吹っ切れていないところがあった。

2001年に駐車禁止の路上に車を停めて、女性警官に免許証提示を求められた際に、急発進させて逃げようとしたことで逮捕。ジャニーズ事務所のお達しで、マスコミ各社が“稲垣メンバー”と報じたことでいじられるようになって、少し吹っ切れたように感じます。

「Goro's Bar」「金田一耕助」「ほん怖」で独自の存在感を発揮

 その後は『Goro's Bar』(TBS系)のオーナー役MCなど、変わり種バラエティーで独自の存在感を発揮してきました。フジテレビ系の『金田一耕助』シリーズでの探偵金田一耕助役や、同局の『ほんとうにあった怖い話』で長らくストーリーテラーを務めるなど、“稲垣吾郎じゃないとダメ”な仕事を積み重ねてきた」(女性誌編集者

 2010年には映画「十三人の刺客」で凶暴な殿様を演じて、高い評価を受けてさまざまな映画賞の助演男優賞を受賞した。三池崇史監督からは「SMAPの中では特殊な存在で屈折した魅力がある」と評されたこともあった。

「稲垣君は『二十歳の約束』で誰より先に注目を浴びたことで、その後に頭角を現したキムタクと常に比較される対象でした。20代前半は、よく『木村君がすごいから』と話していましたよ。それが30代になって、キムタクの存在を気にせずに我が道を行くようになってから磨かれてきた。結局、稲垣君の魅力は“キムタク”という圧倒的な存在に対する、負の魅力なんですよ。

 歌って踊ってのジャニーズ舞台ではなく、本格的なストレートプレーのキャリアを積み重ねてきたことで、これからますます光っていくと思います。50歳を前に風貌は渋みをまして、舞台俳優として成熟していくでしょう」(演劇プロデューサー

 プライベートでは新しい地図の中では唯一の独身。“謎のおじさん”ヒロ君との同居などミステリアスな雰囲気も漂わせる稲垣のこれからは万全だ。

 そしてジャニーズ事務所からの独立前に、すでに俳優として高い評価を確立していたのが草彅だ。

技術はピカ一なのに“落ちこぼれ寸前”だった草彅剛

「草彅君の成功の最大の要因は、ジャニーズらしい美形じゃなかったこと。ツルリとした顔をしていますがエラも張っていますし、他のSMAPメンバーと比べてもイケメン度では落ちます。だからか、若い頃から踊りでも歌でも真剣に取り組んでいました。

 技術はピカ一でしたが、若い頃は稲垣君、木村君が “ドラマ班”だったのに、草彅君は中居君、香取君、森君とともに“バラエティー班”として扱われていました。リーダーだった中居は別として、香取も森もドラマからも結構声がかかっていた。それに比べると、はっきり言って草彅君は“落ちこぼれ寸前”でした」(アイドル誌記者)

 しかし草彅は自分のお役目を一生懸命こなした。最年少の香取の面倒を見て、高校も堀越高校の芸能活動コースを3年間、無遅刻・無欠席の皆勤賞。成績優秀だったこともあって「堀越賞」を受賞した。

「曜日レギュラーだった『笑っていいとも!』(フジテレビ系)では、タモリさんに自宅に呼ばれるくらい可愛がられました。1998年から始まった『「ぷっ」すま』ではユースケ・サンタマリアにいじられながら、汚れの江頭2:50ともうまく絡んでいました。韓流ブームが来れば、一生懸命に韓国語を勉強して『チョナン・カン』(フジテレビ系)のMCを務めた。

 SMAPというトップスターなのに、腰が低くて、全てに一生懸命な草彅はスタッフからの信頼も厚く、みんなが応援したくなる男でした」(スポーツデスク

「いいひと。」で花開き「任侠ヘルパー」で地位を確立

 その草彅の努力が花開いたのが、1997年の主演連続ドラマ「いいひと。」(フジテレビ系)だ。何ごとにも真面目で一生懸命な主人公はかなりの“はまり役”。その後も2003年に始まる「僕の生きる道」シリーズ2009年の「任侠ヘルパー」(ともにフジテレビ系)で演技派としての地位を確立しました。

2015年の『銭の戦争』、2017年の『嘘の戦争』は関西テレビ制作でしたが、今後もシリーズとして続いていくと思われました。それがジャニーズ退所で中断。しかし地上波復帰の流れで復活の動きもあります」(ワイドショー関係者)

 地上波復帰ではドラマシリーズの主演に期待がかかる草彅だが、その実力は舞台でも認められている。19992000年に主演した舞台「蒲田行進曲」を演出した故・つかこうへい氏からは「大天才。オレの想像を超えていた」と評価された。

2009年に泥酔して全裸公然わいせつ事件をおこしたときはメンタルが心配でした。真面目で、ストイックに考え込みやすい性格ですから。ただ、2020年12月15歳下の女性と結婚して、そんな不安定さが払拭されている気がします。安らぎの場を見つけて、これからは自分のことに全力投球できるでしょう」(スポーツ紙記者)

 3人の中で45歳と最年少の香取も、昨年暮れに25年以上交際した2歳上の女性と結婚した。SMAPの中では年の離れた末っ子として自由奔放さが持ち味だった。

「本人は自分自身のことを“パーフェクトビジネスアイドル(PBI)”と称して、常に愛される存在として振る舞ってきました。1人の女性と長く付き合い、トラブルを起こすこともなかった。飲み歩くこともないから、若々しく、フィジカル面も素晴らしい。見ているだけで元気をもらえるのが、香取さんの魅力だと思います」(テレビ関係者)

実は一番心配? 香取慎吾の“危うい魅力”

 だが、アイドルと言っても、もう45歳だ。このままアイドルとしてのキャラクターを守り続けられるのだろうか。

「『ワルイコあつまれ』では慎吾ママに扮して登場するコーナーがあります。2000年には『慎吾ママのおはロック』をリリースして130万枚の大ヒットになりましたが、当時を知らない若い人や子供たちがどう受け取るのかは少し心配ですよね。身長180センチのアラフィフ男性が巨大なリボン&フリフリエプロン姿で、ハイテンションで登場するわけですから。

 香取さんは、稲垣さんや草彅さんと違って、昔から同じように元気で真っすぐな慎吾ちゃんとして活躍してきた。SMAP在籍中は、そのキャラを変える必要がなかったけど、これからが心配ではあります」(バラエティー番組関係者)

変化を求められ、脱皮をする機会が待たれる香取

 “大人な慎吾ちゃん”が観られる番組「SmaSTATION!!」は2017年9月に終わったまま。脱皮する機会がほしいところだ。

デビュー前からかわいがられている萩本欽一から譲られた『欽ちゃん&香取慎吾の全日本仮装大賞』(日本テレビ系)も経費削減で、番組制作が話題にのぼることはありません。ただ、昨年暮れにNHKドラマ『倫敦ノ山本五十六』に主演し、俳優として新しい境地を開きつつあります。3人の中で一番変化を求められるのは香取君でしょうね。ただ彼は根っからのアイドルですから、その時の一番いい魅せ方は心得ていると思いますよ」(女性誌編集者

 新しい地図の奮闘は、これからも続いていく。

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

ワルイコあつまれ(新しい地図公式Twitterより)


(出典 news.nicovideo.jp)